2026/11/07 17:28




2014年にベトナムのホーチミンからカンボジアのチャウドックまで、メコン川周辺を訪れました。


それは日本での6x6の作業がひと段落して、視野を変えたいと思い、日本語教師の資格をとった頃でした。

神戸の長田にはその頃たくさんの若いベトナム人が技能研修生として来ていて、私はボランティアで日本語教室の運営の手伝いをしていました。

工場での仕事が終わってから日本語を学びにくるタフな人たちです。

結局仕事としてその資格を使うことはなかったのですが、時折感じる人間としてのエネルギーの激しさや厳しさ、熱さのようなものに触れて、いつか彼らが育った土地に行ってみたいと思うようになっていました。


深夜、飛行機の窓からホーチミン空港が見えてきた時、乗ってきたバイクをふかしたまま両手でフェンスにぶら下がって飛行機を見ている二人の男性の姿がちらっと見えました。

その途端、着陸する私の中に何か戦慄のようなものが足元から込み上げてきました。

その人たちの目がきらっと光ったように感じて、それは今から降り立とうとしている土地が丸ごと人格化して私を凝視しているような感じがしたからです。


この写真誌にも収録したのですが、旅の最終日になって、街外れにサーカスのテントが建っていたので中に入って行きました。

とても背の高い、信じられないくらい綺麗なお姉さんが(お兄さんかも)が出てきて手招きしてくれて、リハーサルを見せてくれました。

わざわざ大蛇を持って来てくれたりしたのを思い出します。

外の野原では若い団員たちが休憩してご飯を食べたり、おじさんたちが仮設の小屋でマッサージをしたりしてくつろいでいました。

言葉も通じないのに、あちこちで写真を撮らせてもらってありがとうございました。

南国の冬の柔らかい光が野原に満ちていた時間は、夢のような幸せな時間でした。